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創作っ子のネタまとめ

※いないとは思うけど利用禁止です※




あいつは不思議な男やった

ただ むかしの『彼』に何処か似ているような気がしただけ

ただ虚しく空いた何かを埋めた気になりたかっただけ

それだけだったのに


「殺されるなら 君みたいな人に殺して欲しいなぁ」


やめろ

そんな純粋な顔で ウチを見んな



病院の一室

隔離された部屋で彼女に出会った

彼女は呼吸器を付け 死んだような目でこちらを見ると

口をわずかに動かした


窓から日が差す

ぼくはただ 君がすきだった

大好きだった 大好きだった



こんなに空は澄んでいるのに

なぜ今日も僕は堕ちられない



もうじき死ぬ

そんなことは分かってるでござる

しかし 笑いが止まらない


そうか 拙者の親友は 拙者の愛した男は 拙者が人生を奪った男は

真に美しく そして

真の天使だったのか


『いきしあ 拙者は天使と共に生きたのだな』



拙者は 一つの石像となった



なんでだ なぜだ

一つのゴミ袋を抱え考える

神はこのような理不尽をお作りになるのか 神とはすべてをしきりすべてを知る者



ああ なんだ



ゴミ袋に入っている 腐敗した微かな肉片を つくりだしたのは

これの親でもなく 環境でもなく


『俺(神)自身ではないか』


神とは俺だったのか



首を絞められる

苦しい 涙が止まらない

でも 言わなきゃ

「私は貴方を愛してた 愛させてくれてありがとう 愛を教えてくれてありがとう 愛が 愛が

ああもう しあわせでした」


馬鹿な女だ 馬鹿な女だった なんだ あいつ 馬鹿だ

『ばかだなぁばかだなぁ ばかだなぁ ばかだなぁ・・・』


ただ 涙がとまらない

いくら強がったって 僕だって人間だ

死ぬのはすごく怖い きえたくない もっと生きたい 死にたくない怖い怖い怖い怖い怖い

僕は彼に伝えたいことがあるのに たくさんあるのに

ああああ会いたいよ会いたい会いたい死ぬのがこわいよ ただ会いたいよ

会いたい あああ会いたいよ

今日 彼が僕に会いに来てくれた

彼は泣いてくれなかった けど 僕に会いに来てくれた

嬉しかった 僕は馬鹿みたいに涙が止まらなかった

この日記帳も涙でぐしゃぐしゃになってしまった


未練はある もっとやりたいこともある

けど 大丈夫 

怖い 死ぬのは怖いけど

彼が 彼の存在が 彼が居るという事実が

僕を支えてくれる


あいつが処刑されてから何年と何ヶ月

あいつから今更小包が届いた

中には汚い変な便せんと

便せんとは相対して小綺麗な日記帳が入っていた


今更だというのに 手が震える

便せんをぶっきらぼうに破り 紙に目を通す


『僕は死ぬ 君の知っているとおり 処刑という形でだ

一方的で重いかもしれないが 一つだけ 一つだけで良いから よければ覚えていてくれ


僕はね 君のことを ずっとずっと愛し続けるよ

たとえそれが世間から馬鹿にされようが 醜いと言われようが 僕は構わない

僕は君を愛し続ける きっと君は今まで通り そんな僕を嘲笑うだろうね

でも僕はそれでもいいんだ はじめて人を愛しいと感じたんだ

星になろうが 物になろうが はたまた幽霊になろうが 僕は君を愛し続ける

だから もし 無いとは思うけど 君がこの文を読んだり 僕の死で気が荒ぶっても

どうか 君には 『今』を進んで欲しい

僕には君を愛することしかできない

君に会うことも 愛を伝えることも 抱きしめることも 今となってはできない

でも 必ず約束はまもる


僕は君を愛していた

運命と呼ぼうか 偶然と呼ぼうか 一時の迷いと呼ぼうか 何だっていい

僕は君を愛していた きっとこれからも必ず愛し続けるから


あぁ もうまたきっとどこかで


僕に愛されて よければ君も愛してくれて 愛し愛され今を生きよう』



意味も無く便せんを何回も 一言も逃すことなく読み返した

何回も 何回も


そして あいつが死んでから 何年も 何ヶ月もたった今

ようやくあいつの愛を 俺の愛の深さを 愛の幸せを知り


はじめて 泣いた

俺は愛していた あんたも俺の事を愛してくれていた

日記なんか読まなくてもいい

俺はただ ようやく今 本当に ホントに

俺は本当のあんたに 出会えたのだ


あんたが死んでから何年何ヶ月 俺はまた 確かに あんたに出会ったのだ



フランスにて結婚式を挙げた

たった一人の青年だけという 結婚式


もう前を向けるのか

前を向いてもいいのか

向けることができるのか




俺はただ あいつの愛を

あいつの名を光に 前へ進む


そして また

何度でも愛を知ろう



下四つは繋がってる



魂はいらんかえ??




俺の買った魂は 何かと訳ありだった


俺は目が見えないため 用意してもらった肉体が男か女か分からないし

魂もどんな物なのか 視覚では感じられなかった


魂は言った

『私にはホントに何か大切なものがあったのです 本当に何か愛し続けたものがあったのです

マスターにもそんなものがありましたか??』


ああ あったとも


『俺は そいつの為にこの両目も 仲間も そして別のそいつ自身も殺して 生きている』


容子の分からない魂は

俺の首元にまとわりつくと ただ俺の両目の包帯を押さえていた



二つの空洞から 血が流れて止まらなかった


私には記憶がない

ついでいうと 私自身は男だ

昔は産婦人科をしていた 何をしたのか何があったのか 最後の方は覚えていない

ただ 処刑されたという事実のみは聞いている



私の主人は両目が無い 盲目の男だ

なんでも人間ではないらしい

実際の所今の私も人間ではないが それはこの主人のせいだ

主人は時たま 無いはずの目から涙の代わりに血を流し 泣こうとする


その痛痛しいこと


私はその姿を見る度に思う


私が愛し続けるべき 私が愛すべきものは この男ではないのかと