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月見夜パロ 過去(続き)

※過去について書いてある話が少しあるので それを読んでからの方が良いと思います


毎日 娘の体に残る傷跡を見ていくうちに

ふたりは こう思うようになった

どうにか この娘を この檻からだしてやりたいと


しかし どうしたら良いのかは イマイチ分からず 考えに考え

ついに この考えにたどり着いた

吉原から 三人で 逃げようと

ふたりの考えは一致した 


そんな次の日

二人はいつものようにくる 娘にその計画を説明しようといつものように 待っていた

ところが こんな日に限って いくらまっても 

娘は来ない

ふたりは おかしいことにだんだん感づき

急いで 美しい着物も 化粧も 捨てて

屋敷から飛び出していった


手には 火のついた ちょうちんを持ち

懐には 顔も覚えていない男から貰った 美しい 兎の模様の刀を入れて


二人ははじめに 娘の雇われている屋敷へと行った

だが 娘の姿は無く

さらに ふたりの心を騒がせた



もう 日も暮れ 辺りも薄暗くなってきた

それでいても 娘は見つからなかった


ふたりは 息を切らして ただ 必死に娘を探した

その時だった

鈴蘭こと・・・本田臨が

男に引っ張られている 


娘の姿を見つけたのは


その瞬間だった

さっきまで 息を切らしていたのがウソのように

風のような速さで その男に 斬りかかった

その瞬間だった 男が血しぶきをあげて倒れ

同時に 落としてしまった ちょうちんから

火があがったのは

臨は 叫んだ 少女が火の中に消えていく姿を見て

その時 急いでこちらに来ていた 仁は見た

満月の光が 美しいぐらいに 輝いているのを

こんな状況なのに 燃え上がる炎と月の光

そして それに照らされる娘は

とても 綺麗だった


そして 叫び 見ぼれていた時


「おいっ! お前等か?! この火を放ち この男を殺したのちに 娘をさらおうとしたのは?」


後ろには金髪の 眉毛の特徴的な男が立っていた

なぜこんなことを自分たちに対して言っているのか

はじめ 二人は分からなかった しかし 周りを見ていくうちに理解していった

それも そのはず 

なぜなら

二人が気づかないうちに 恐ろしいほどに 火は周りへと移っていき

男の死体さえも もはや燃え 原型が無くなりかけている状態だったからだ

そして 火の中にいたはずの 娘は気絶しているようで 男の腕の中にいた


二人は取り合えず 娘が無事なことに安心した

でも それと同時に絶望した

なぜなら


娘はもう 自分たちとは いられないからだ

きっといまなら男一人しか居ないので 殺して奪い返せるとは思う

だが そんなことをしたら

・・・娘も 最悪自分たちの共犯者にされる可能性もあるからだ

二人は焦った

そして 答えは 仁の方が早く出た

なぜなら 彼の目的は

三人で逃げ出すことではなく

娘を安全な場所に連れて行くことだったからだ

そして 仁はこう男に対して叫ぶ

「その通りだ」

そして 仁は叫んだと同時に 臨の手を引き 思いっきり屋根へと跳んだ

男はそれに おどろいていた為 少しの隙ができた

それを良いことに 仁は臨をひっぱり 宛もなく とにかく走り出した

臨は叫んでいた 仁に対して

「もうっ あいつには会えなくなるかもしれないんだぞ?! いいのかよ?!」

しかし 仁は走った そして 月へと飛び込むのかのよう 一際大きく跳ぶと

こう 答えた

「また 会える日まで・・・ さようならするだけですよ」


それからだった この二人が これから 江戸や吉原にて 

美しい娘を探しまわっていくのは・・・


終幕