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とある偽善者の日常

カツンっ カツンっ
心地のよい音が リズムよく響く
それに 嫌悪を覚えるわけでもなく かと言って特に意味も無く
その 音に 何気なく 勝手に作ってみた 唄を乗せてみる

「どうしたんですか? 貴女にしては珍しいではありませんか」

その音を出している本人は そんな自分の気持ちにも気づかずに 顔は背けず 
ただ 目線だけを こちらに向けてくる

「〈・・・特に意味は無かったんだよ〉」

そう 自分の特徴とも言える 腕に付いたパペットを 自らの口のように使い答える

「そうですか?・・・それにしても 相変わらず貴女は歌がうまいですね。」

・・・嘘は 言っていなさそうだな。
自分はそう判断し、ただ リズムに合わせ 唄を紡いでいる

「無視かよ、この小6病ニートー・・・」

そう 小さく呟いたのは それなりに距離が離れていたとしても
自分には ハッキリ過ぎるほどに  聞こえた言葉だった

思わず 殺意が沸いてしまい 右腕にはめてある パペットの縫い目を解きそうになった

が、ここがあのよく分からない、 真っ白な異空間では無いことに気づき
ギリギリ・・・すんでの所でとどまる

なんせ ここでは 自分の能力はつかえないからだ


本心では・・・ここでは殺したら生き返らないと言うこと理由に入るが

「まぁ 貴女は掃除が苦手ですもんね~」

なんだ あいつは心の内が読めるのか?

そう 思いながらも それは偶然だろうと 思い直す
なぜなら 自分の顔には よくサーカスやマジシャンなどで見る 変な面が付いているからだ

自分でも 多少なりは 不気味だと思う
片方は笑っていて 片方は泣きそうに笑っているからだ

こんな面を付けていて 心の中など読めるか・・・

自分でも 思わずそう思ってしまった

「よっと・・・ほらそんなところでボーッとしてないで、朝ご飯ですよ~?」

よっこらせ・・とその声を聞き 自分は食卓の席へと 歩き出す

「〈今日の朝飯は 何だ? 〉 」

そう パペットを使い いつも道理の席に座り 聞いてみる

「今日は 卵焼きに、ご飯に、豚汁です。」

そう あいつは答えた・・・
・・・ 豚汁か・・・何だよ

「肉もしっかり 食べて下さいよ」

そう 何となくだが あいつが笑った気がした
内心で 小さく毒づき 面を少しずらし 茶碗に口を付ける

至って普通

・・今日の豚汁 いつもと味噌が違う・・・
・・・よくわかりましたね。・・・