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ヒーローの過去物語(中編)

僕は

暗い 暗い 奥の中で

沈んでいくことを 拒まず

ただ ひたすらに 沈んでいく

もう 疲れたから

僕は ただの・・・

 

よわむしだから

そんな時だった

不思議な声が聞こえてきた

その声は 妙に落ち着き それでいてどこか

なつかしさをも 感じさせる声だった

しかし 話していることは あまりにも今の僕に対しては

残酷だった

 

・・・人間とは どうしてこうも 欲が深いのだろうか・・・

 

僕は その言葉に驚いたと同時に 少し共感さえも覚えた

だから 僕は少しその声に 答えてみたんだ

 

・・・仕方ないじゃないか だって人間だもの・・・

 

その言葉に 声の主は少し驚いた後 確かにな と一言呟いた

 

・・・そうだよ 人間なんて そんな物だよ・・・

現に僕だって 今ほんの微かながら 欲を持っている

だから 僕は 声の主にこういった

 

生きたいと

声の主は そのことを鼻で笑った 

しかし 僕はそんなこと 気にしない

生きたいのは 本当の夢の前提だからだ

本当の夢は・・・

 

その後 夢のことを話すと 声の主は別の意味で少し笑い

そして あろうことか 

生きるチャンスを与えてやろうとまで言ってきた

僕はただそれに驚き そして希望を持った

でも そんなことは 無理だと思った

でも 今の僕はすることもなく

ただ 落ちていくだけなのは つまらない

どうせなら 醜く足掻いて落ちてやろうじゃないか

 

そして 声の主の方向を見て まっすぐに言った

生きるためなら何だってしてやろうと

 

それに 声の主はまた微笑み 一言 

゛バトンタッチ゛と囁き 消えてしまった

そして その目の前には・・・

 

小さな少年が居た

 

その少年が一体どんな子かは 分からない

しかし ただ分かるのは 僕と対して年齢は変わらないだろう

 

それに妙に親近感を覚えた僕は 

少し 話しかけてみたんだ

 

でも この少年は そう

 

ただの少年ではなかったんだ