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ヒーローの過去(前編)

真っ暗な 暗い 暗い

奥の奥の 見えないところに

僕は一人で立っていた

息も出来なくて

苦しくて 押しつぶされそうで

それでいて 何処か 落ち着く

不思議だった

そして 思い出した

僕は     

しんだのだと

 

僕の住んでいる所は 内戦が激しく

始めは住んでいる所でも 

比較的人口などが少ないところは 普通に平和だった

そう それは本当に

自分たちの住んでいる土地で争いが起きているのか

疑うぐらいにだ

 

しかし時が流れ 内戦がだんだん激しくなってきた頃

僕らの町にも・・・・・・・・・・・    軍隊がやってきた

なんでかは分からないけど 僕達子どもや、女の人は

山のある所に連れて行かれて

男の人達は大きな車のような物に乗せられてったんだ

そして 山を登り しばらく歩かされたとき

そこで 兵隊さんは・・・・僕らを・・・・・・

 

 

崖から突き落としていった

僕は一番最後に落とされる番だったから

よく 覚えているよ

友達が泣き叫ぶ姿

女の人が自分の子どもを守ろうとしている姿

 

でも そんなことをやっていても 兵隊さんは無表情で

ただ たんたんと 順番通りに

おとしていった

 

そして 最期 僕の番だ

怖い怖い怖い怖い怖い怖い・・・・・・

 

しにたくないよ

僕はただ そう思った 

その時だ

僕を落とそうとした兵隊さんの後ろから 

もう一人の兵隊さんが出てきて

もう一人の兵隊さんが 僕を落とそうとした兵隊さんを

 

崖へと落とした

 

僕はただ 呆然と見ることしか出来なかった

しかしその兵隊さんは僕を見ると 優しく抱きしめ

こう囁いたんだ

 

「ああ 君だけしか守れなかったよ」

兵隊さんはそう呟きながら ただ静かに泣いた

僕はそれを見て この人は優しい人だと思った

 

そう 前まではあまり興味の無かった

よく見る アニメなどの

ヒーローのようだった

でも その時僕は大きな爆音を聞いた後

崩れていく兵隊さんと

薄れていく自分の意識を最期に

 

崖へと 

落ちていった

 

そして今 現在に至る

ハッキリ言うと こうもあっさりしんでしまうのか・・・

と改めて思った

でも 今の僕にはそんなことどうでもいいんだ

だって もうしんじゃったんだから

 

 

ああ まだ生きたかったな

もし 生きられるのなら・・・・・・・

 

××××になりたいな