深海の温泉

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無気力ドールと愛を捧ぐ少年

「ずっと前から好きだったんだっ!付き合ってくれっお願いしますっ」


そんな恋愛モノではありがちな台詞をはじめに この物語は幕をあげる





少女 何時も笑みを浮かべる明るき少女 完璧ではないがそこそこの幼き可愛い顔

性格はいじられキャラと称されるモノ 仲間からそこそこ愛されている『江戸川 夕(えどがわ ゆう)』



そんな少女に恋幕を抱く少年 少女に委員会で知り合い恋に落ちた

名は『田中 超海(たなか すかい)』




少年は野球が楽しかった 学校も楽しかった

しかしそれは自身を満たさなかった なぜならやはり疲れを伴うからだ

疲れを癒すはず家は だらしない母により癒しをとれる場ではなくなっていた

親の香水の臭い 離婚した父

思春期の彼には重すぎる






そんな中 2年の春クラス替えで彼女に出会う

彼女そこそこ目立ち愛される女

友人も中々多く 多少の男にも友愛とは別に言葉はなくても愛されていた

彼女つらいことがあれば素直に嫌がる

彼女苦しければ素直に泣く

彼女嬉しければ笑いながら泣く


それは自身の身の上だけでなくても起こりうる事

そう 彼女は友の気持ちに共感し感情を左右させる

委員会 彼女は少年と接する

困った時彼女は少年に助けを求める

少年中々用心深く 堅く接するが彼女は何時でも明るく彼を信じた





少年 自身の生活とは相対する彼女の輝きに惹かれた

彼女のような光に 彼女が居るだけで浄化される世界を愛した










しかし少女はそんなにキレイではなかった





いつでも明るいのは世界に絶望していた故にだったのだ






彼女周りの目を気にし涙を流す 流すことで自身を正当化させようとしていた


彼女笑う 笑う方が好印象を持たれるから


彼女傷を隠す 親に虐待されているのだ


彼女愚痴をこぼさない 人を信用できない軽い人間不信なのだ




彼女少年に愛を告げられ 戸惑う


自身は愛してもらえるような人間でないと知っているのだ



しかし、彼は学校内の階級で言うそこそこの位置にいた



彼女それを知る故に少年と付き合うことにした








そこから始まる不思議な恋の話

サイコパスの記憶喪失

千葉県のとある病院

そこで新人警官である「十河 駿助(とがわしゅんすけ)」は先輩である警官と

ある男の取り調べに来ていた


その男 東京湾から引き上げられ奇跡的に生存した男


きっと神は彼を見捨てなかったのだろう

そのかわり 救いもしなかったが



水浸しで病院に入った男、海の塩によりべたべたの黒髪と溺れた魚のような目をしている

みすぼらしい男


彼は名がわからない 自身がわからない すべてが分からない


所謂 記憶喪失 記憶障害


それだけではなかった この男

なんと テストをおこなった結果 


サイコパスであると判明





(…いったいこの男は どんな人生を送ってきたのだろうか)








簡単なまとめ、この設定流れで連載するかもです

もっと更新せねば

創作っ子のネタまとめ

※いないとは思うけど利用禁止です※




あいつは不思議な男やった

ただ むかしの『彼』に何処か似ているような気がしただけ

ただ虚しく空いた何かを埋めた気になりたかっただけ

それだけだったのに


「殺されるなら 君みたいな人に殺して欲しいなぁ」


やめろ

そんな純粋な顔で ウチを見んな



病院の一室

隔離された部屋で彼女に出会った

彼女は呼吸器を付け 死んだような目でこちらを見ると

口をわずかに動かした


窓から日が差す

ぼくはただ 君がすきだった

大好きだった 大好きだった



こんなに空は澄んでいるのに

なぜ今日も僕は堕ちられない



もうじき死ぬ

そんなことは分かってるでござる

しかし 笑いが止まらない


そうか 拙者の親友は 拙者の愛した男は 拙者が人生を奪った男は

真に美しく そして

真の天使だったのか


『いきしあ 拙者は天使と共に生きたのだな』



拙者は 一つの石像となった



なんでだ なぜだ

一つのゴミ袋を抱え考える

神はこのような理不尽をお作りになるのか 神とはすべてをしきりすべてを知る者



ああ なんだ



ゴミ袋に入っている 腐敗した微かな肉片を つくりだしたのは

これの親でもなく 環境でもなく


『俺(神)自身ではないか』


神とは俺だったのか



首を絞められる

苦しい 涙が止まらない

でも 言わなきゃ

「私は貴方を愛してた 愛させてくれてありがとう 愛を教えてくれてありがとう 愛が 愛が

ああもう しあわせでした」


馬鹿な女だ 馬鹿な女だった なんだ あいつ 馬鹿だ

『ばかだなぁばかだなぁ ばかだなぁ ばかだなぁ・・・』


ただ 涙がとまらない

いくら強がったって 僕だって人間だ

死ぬのはすごく怖い きえたくない もっと生きたい 死にたくない怖い怖い怖い怖い怖い

僕は彼に伝えたいことがあるのに たくさんあるのに

ああああ会いたいよ会いたい会いたい死ぬのがこわいよ ただ会いたいよ

会いたい あああ会いたいよ

今日 彼が僕に会いに来てくれた

彼は泣いてくれなかった けど 僕に会いに来てくれた

嬉しかった 僕は馬鹿みたいに涙が止まらなかった

この日記帳も涙でぐしゃぐしゃになってしまった


未練はある もっとやりたいこともある

けど 大丈夫 

怖い 死ぬのは怖いけど

彼が 彼の存在が 彼が居るという事実が

僕を支えてくれる


あいつが処刑されてから何年と何ヶ月

あいつから今更小包が届いた

中には汚い変な便せんと

便せんとは相対して小綺麗な日記帳が入っていた


今更だというのに 手が震える

便せんをぶっきらぼうに破り 紙に目を通す


『僕は死ぬ 君の知っているとおり 処刑という形でだ

一方的で重いかもしれないが 一つだけ 一つだけで良いから よければ覚えていてくれ


僕はね 君のことを ずっとずっと愛し続けるよ

たとえそれが世間から馬鹿にされようが 醜いと言われようが 僕は構わない

僕は君を愛し続ける きっと君は今まで通り そんな僕を嘲笑うだろうね

でも僕はそれでもいいんだ はじめて人を愛しいと感じたんだ

星になろうが 物になろうが はたまた幽霊になろうが 僕は君を愛し続ける

だから もし 無いとは思うけど 君がこの文を読んだり 僕の死で気が荒ぶっても

どうか 君には 『今』を進んで欲しい

僕には君を愛することしかできない

君に会うことも 愛を伝えることも 抱きしめることも 今となってはできない

でも 必ず約束はまもる


僕は君を愛していた

運命と呼ぼうか 偶然と呼ぼうか 一時の迷いと呼ぼうか 何だっていい

僕は君を愛していた きっとこれからも必ず愛し続けるから


あぁ もうまたきっとどこかで


僕に愛されて よければ君も愛してくれて 愛し愛され今を生きよう』



意味も無く便せんを何回も 一言も逃すことなく読み返した

何回も 何回も


そして あいつが死んでから 何年も 何ヶ月もたった今

ようやくあいつの愛を 俺の愛の深さを 愛の幸せを知り


はじめて 泣いた

俺は愛していた あんたも俺の事を愛してくれていた

日記なんか読まなくてもいい

俺はただ ようやく今 本当に ホントに

俺は本当のあんたに 出会えたのだ


あんたが死んでから何年何ヶ月 俺はまた 確かに あんたに出会ったのだ



フランスにて結婚式を挙げた

たった一人の青年だけという 結婚式


もう前を向けるのか

前を向いてもいいのか

向けることができるのか




俺はただ あいつの愛を

あいつの名を光に 前へ進む


そして また

何度でも愛を知ろう



下四つは繋がってる



魂はいらんかえ??




俺の買った魂は 何かと訳ありだった


俺は目が見えないため 用意してもらった肉体が男か女か分からないし

魂もどんな物なのか 視覚では感じられなかった


魂は言った

『私にはホントに何か大切なものがあったのです 本当に何か愛し続けたものがあったのです

マスターにもそんなものがありましたか??』


ああ あったとも


『俺は そいつの為にこの両目も 仲間も そして別のそいつ自身も殺して 生きている』


容子の分からない魂は

俺の首元にまとわりつくと ただ俺の両目の包帯を押さえていた



二つの空洞から 血が流れて止まらなかった


私には記憶がない

ついでいうと 私自身は男だ

昔は産婦人科をしていた 何をしたのか何があったのか 最後の方は覚えていない

ただ 処刑されたという事実のみは聞いている



私の主人は両目が無い 盲目の男だ

なんでも人間ではないらしい

実際の所今の私も人間ではないが それはこの主人のせいだ

主人は時たま 無いはずの目から涙の代わりに血を流し 泣こうとする


その痛痛しいこと


私はその姿を見る度に思う


私が愛し続けるべき 私が愛すべきものは この男ではないのかと

うちの子物語

 
 
ギィコ… ギィコ… ギーコ…
 
 
 
錆びた館の中 古く寂れてしまった 車いすの音だけが響く


その音は時々止まり また ふとした瞬間に音は戻ってきて・・・それを繰り返していた





俺はただその音を聞きながら 小さく息を吐いて 止めた車いすを 再び押し出した




思いド忘れ



この館は昔からある

一体何時つくられたかは俺自身も知らない 

なぜなら この館には誰も近づこうとはしないからだ
 
俺自身もこんな館に住むことになるとは思いもしなかった



「・・・おい 生きてるのか」


車いすを押しながら 乗っている本人に優しく語りかける


そいつは 閉じていた目を薄く開けると 優しく微笑み 俺の手に自身の手を重ねてきた

 
『ふふ・・・不思議なことを聞くものだな・・・』

「五月蠅ぇ・・・ 俺が質問したんだ ちゃんと答えやがれ」



口では悪態をついているが 実際俺は 本心からホッとしていた




昔・・・ こいつが死の淵に晒され 足と腕が無くなった瞬間

俺は心の底からの絶望を身をもって味わった

今だって 語りかけているなか 返事が返ってこなかったらどうしようかと

とんでもない不安と戦いながら 必死の思いで一言紡いだのだ

「・・・」
『・・・ なぁ ××・・・』


突然の声に 心が跳ねた


必然的に 車いすを押すという行動も停止してしまう




「・・・ どうした」


先ほどとは別の想いで 精一杯のどを絞り 声をだした



『君は 私が好きか?』

















やばい





心臓がはやいとか それ以前に

普段なら一瞬とて 乱れない呼吸すら乱されてしまったことに驚愕する

顔は熱く 変な間合いがうまれてしまった

何か言おうと思いつつも 何も言えずに


ただ あいつだったら 何というのだろうかと 心の片隅で考えた




『・・・っ ふふっ ふははあははっ』


間合いが出来てしまったというのに あいつは何も気にも留めないかのように

ただ 昔のように豪快ではなくとも 楽しそうに愉快に笑っていた


あいつが笑った顔だなんて 何時ぶりに見ただろうか


その顔に昔の思い出も重なってしまい 思わず顔を背けた


「・・・急に何を言い出す・・・気持ち悪ィ・・・」


『いや・・・ ふと 昔のことを思いだしてしまってね・・・』



義手を絡めながら 艶っぽく笑う相手に俺はため息をつき 再び車いすを押す行動をはじめる




「・・・ 昔って 俺じゃない俺のこととかか」


少し嫌みったらしく聞いてしまう俺に 俺自身が苛ついてしまう


あいつはそれにまったく気づく様子もなく 話を続ける


昔よりは気性が静まったとはいえ この鈍感さは相変わらず変わらないらしい


『それもあるが・・・ やはり 皆との生活のことが忘れられなくてね・・・』



黒 黄色

懐かしい奴が 頭の中に思い浮かんでは沈んでいった



なんだ 俺自身も忘れられていないじゃねぇか


『あの時は本当に楽しかった・・・その分危険も多かったがね・・・

毎日が冒険で ケンカなんかもしたなぁ・・・そのたびに乱闘になって・・・』








がちゃんっ




古く寂れた館の中 先ほどまでとは別の音が聞こえた









倒れた車いすなんて気にも留めずに

俺はただ 乗っていた本人を押しつぶす勢いで抱きしめた



ただ 本人を押しつぶすことしか考えていなかった

 
 
 
 
先ほどまでの 館内の苔臭いとは別に あいつの・・・・バラのような・・・


どこか色気を含んだ香りに頭がクラクラする



それでも抱きしめるのをやめなかった 肩口があまり濡れていないことが憎たらしかった













俺は 俺じゃない




正確には 中身は俺 外見は 【あいつ】



俺は周りから言われる・・・いわば多重人格と呼ばれるものから生まれた存在だ



普段はあいつが生活をしており 夜になると同時に俺と精神が入れ替わる

そう 俺は本来 一つの人間ですらないんだ・・・







あいつは 車いすに乗っているこいつと・・・大層仲が良かった


いや あの頃は 車いすなんかには乗っちゃいなかったが・・・



とにかく 

あいつらは周りにいる奴らからも 冗談でも冷やかされる位には 本当に 仲が良かった


ベットで目覚めたら 隣りにこいつが居たなんていうことも しょっちゅうあった



しかし 俺自身・・・こいつに興味はなかった 



・・・いや実際には 興味をもってはならなかった・・が正しいかもしれん


だって その先に待ち受けている物が・・・・・

・・・・確実に意味のない事である・・・ということは分かりきっていたから




ベットの中・・・あいつが抱きしめていたこいつを見る度に心が痛かった

優しく髪を撫でていても それはあくまであいつのやったことになるだけで・・・




ただ 苦しかった








・・・俺はあいつの汚い部分 

あいつが微笑み 皆に慈愛をもたらすならば


俺は毒を吐き 皆に憤怒をもたらす




それでも

こいつは 俺を対等に扱ってくれた



分からない 容子があいつだったせいかもしれないが


それでも それでも






























『・・・ 君には叶わないな・・・やはり つきあいが長いせいかなぁ・・・』


耳元で 少ししゃっくりをしながらの掠れた声が聞こえた


でも その声はあくまで明るく振る舞うかのようで

余計に俺は苦しくて





あいつなら



あいつなら




















あいつならっ











「・・・何時までもこうしてるわけにもいかねぇな 悪ぃ 急に気持ち悪いことしちまって」



抱きしめていた手をゆるめ 離した片方の手で車いすを立て直すと


そのまま手を戻し ・・・こいつを抱きあげもう一度車いすに乗っける




『いや・・・気に病むことはない・・・・・・ すまないね』




最後の方は・・・ホントに聞こえるかどうか・・・まるで蚊の鳴くようなこえだった














俺は 車いすを押す



ギィコ… ギィコ…


鈍い音が また響きだした・・・





















俺は最後の最後に 車いすの音に紛れる位の声量で一言呟き

車いすにのっている・・・あいつの愛しいこいつを動かし続ける
























この車いすを押すぐらいのこと





「別に 俺じゃなくても良かったかもな」

補足

片方は五体不満足(義手や義足はつけている)で精神的に強靱な美しく誇り高い人
もう一人は体は満たされているけど精神がボロボロで欠けている人
 
お互い必要な部分が同じようにないのならば
無いもの同士

お互いで隙間を埋めようか

傷の舐め合いというには傷が深すぎて
お互いがお互いを必要としているからこそずっと離れない依存系コンビ

二息歩行 替え歌


[初音ミク] 二息歩行 [オリジナル曲] - YouTube

「これは 僕らの軍記の 初めの1ページ目です」


共の時を過ごした 同じ訓練所

何時のまにか三人 バラバラになって?


「ねえアーク、僕生きて帰えるからさ 君もさ。」
"ふざけるな・・・"

会えないな

ねえお前は今頃 何処の土の中で 生きてるの?
息はすえているのかな?



「サリュカ、ヒン、バハルド…」
"よく戦ったな もういいからな。"


ああ?もう少し…


お前らの元に向かうために浮かせた前足が

何故か崩れ落ちるんだ

久しぶりの気持ちだって 俺に突き刺さる弾丸

幕を閉じる人生


「じゃあ僕が貴方のその体をその心を
 この命で守ってあげましょう」


相対のチュー

貴方は今から僕の空気で守られるの
想いはもう いらないから


ねえ貴方は今さら僕の空気を吸って

「すまない」だなんて言ってみせるけど

それならもういっそ 衣服のように

僕に包まれた空気で息絶えて

大日本と北子さんの 過去に関わる方

本名:藤馬(とうま) 巽(たつみ)

臨からの名称←明渡(めいと)

身長は170cm

零に乗っていた特攻隊の隊員

臨が死のうとしていたときに引き留める

そのせいで臨に気に入られる

 
本名:メイ

身長160cn

売春婦

凛餼にりんきと名前をつけた本人

臨を愛していた

最後は炎に包まれて死亡

サラの過去物語

崖から落ちた 

雪に滑った ただそれだけ

下を見つめてみた

真っ赤な血の池が出来ていた



シベリアは寒かった

俺は 小さな 小さな 豚小屋で生まれた

どこかの神とは違い 俺は生まれても 祝福されなかった

むしろ 皆は絶望したのではないのだろうか



俺は小さな民家の養子になった

環境が小さいせいか 俺自身も人一倍体が小さかった

そのせいで 当然のように 俺は周りからの暴力の対象となった



(お前なんか どこかに行ってしまえばいいのに)

(醜い 化け物め)


別に不思議には思わなかった

だって 俺は普通ではなかった なら しかたがない




俺を生んで母は死んだ  父親は母が妊娠したことをしった時から行方がしれない

俺を引き取った親族は 俺を哀れみや汚物を含んだ目で 俺を見ていた


別にいいさ それが定めだ



学校に通うようになった


(お前なんか生まれてこなければよかったのに)

(お前が死んだって 誰も悲しまないね)

(お前なんか しんでしまえ)


前より 暴力が酷くなった気がする


昼食のパンは 雪に埋められた

取り出して喰らった

周りは 何が可笑しいのか 笑っていた

俺はただ 腹が減った



(いいかい サラ ちゃんと規則は守るんですよ?)

(言うことを 守らない子には 怖い民警さんがきて シベリアに送られてしまうからね)


分かってる


だから 俺は 人一倍物事に対して真剣に対応した



俺はいつものように暴力を受けていた

いちいち対応すると余計に腹が減る

その時 暴力をふるっていた一人の青年が悲鳴をあげた

そうか もうこんな年になっていたのか

気づいたら 体も人一倍大きくなっていた


青年は泣いて わめいた

その手には 俺の歯の破片が刺さっていた

頬でも殴った瞬間に 刺さったのだろうな



俺は先生に呼ばれた

あの青年のことらしい

(この汚らわしい餓鬼が お前はこれ以上何を奪う気だ?)

俺は罵倒された そして殴られた 蹴られた

ただひたすら 奥歯がじんじんした



学校を卒業した と同時に

俺は軍隊に入った

親族は何も言わなかった

ただ その目は

安堵と解放に包まれていた



シベリアを歩いていた

軍事学校なんてのには 入れてもらってないため

俺は戦争最前線の 歩兵だった



暴力は無かった


ただ 敵国の人間に対しての暴力はたくさん見た


銃がある それでたくさんの人が倒れた

敵国も 祖国の者もだ



気づいたら 人数が減っていた

半分を切った頃に気づいた



その日は何だか寒かった

今まで気にしてなかったが 初めて寒さを感じた気もする

何だか 雪が冷えていた


いつもの動き いつもの風景

ただ違ったのは

今 車に乗っていることだ

後ろには敵国の人間が乗っている

祖国の者が笑って話していた

(俺がこいつら捕まえたんだぜ)

はじめてみる景色だった


雪の中に 崖があった

なかなかの高さだった 



敵国の人間は 車からおろした

そして


ああ 暴力

崖に 一つ二つ三つ・・・

たくさん赤色ができた

最初はたくさん

最後は少し






(ねぇ 雪の方)

『ねぇ 雪の方』



聞こえた

何かが聞こえた

『ねぇ 貴方に聞いて欲しいの』

初めてだった 初めてだった

不思議だった 


『私はね 死んでしまうの?』

分からない ただ聞こえた

目をこらした 

『助けてもらいたいんじゃないの 本当なのよ』

白色 白色 赤色 黒色

見えない どこだ

『ただね ちょっぴりね』


灰色


『怖いの』 「見つけた」


別の声が聞こえた

酷く重く かすれた声

初めてだった 初めてだった 


灰色は・・・ 灰色の髪をした少女は わらった

けど それはわらってるようではなくて


『ふふ・・・なかなか格好いい声なんですね 喋られないかと思ってましたわ』


そして 気づいた

俺は 初めて

俺の声を聞いたことを


初めは震えて でも振り絞って 


「あ」













ああ 暴力

銃口が少女の頭についた

(こいつで 最後だ)




音がした 音がした

ただ 銃口から雪より白い 

煙が出ていた


少女は崖から見えなくなっていた


落ちた

そう思った



今日は不思議な日だ

俺は なぜだか はじめて


「どけ」








少女を担いだ ただ歩いた


どこまでも 果てしない道を


少女は温かかった









風が吹いた 雪がきた

俺の足跡は それでも赤を主張していた


嫌だった 少女はなんだか重く感じれた


そして



ただ 腹がへった



崖の上についた

赤が転々としていた


全部 俺がやった



汚く 醜く 暴力を

ふるった 覚えがある

少し 体がきしんだ

肩や 膝が 外れていた

疲れた



ただ体が軽くなった



俺は少女を置いた 

少女は腕がとれていた 頭にも 穴が開いていた

穴に雪を詰めてみた

もう 赤色には染まらなかった



腹が減った

腹が減った


何だか体が軽くなった 何かがまるで無くなったように

先ほどの事が嘘のように 疲れて真っ白だった


食料を見た

何も無かった


赤色の近くを見た

赤色の パンがあった くった 足りない

赤色の肉 足りない 赤色の酒 足りない

くったくったくった

足りない足りない 死にそうだ

腹が減った腹が減った

目眩がする 歩けない 歩けない





























臭う






























あった



一つだけ




これを くわなきゃ


赤色に 手を伸ばす





これを くわねば



ブチッと音をたて とってみた


口を開ける



初めての感覚だった




「生きれない」










くった 瞬間に 吐いた

くさい 吐き気 汚い 食べたくない



でも 腹が減った


自身の腹を殴った

肋骨が折れていることに気づいた


息を止めた

ただ 少女のことを思った


そして








「おぇっ」